平成14年11月21日(木)

北朝鮮による拉致、および
その核・ミサイルの脅威について

恵谷治先生

恵谷治先生

国際情勢・軍事問題、イスラム・北朝鮮・中国研究等


講話概要

北朝鮮による日本国民の拉致事件には強い憤りを感じます。北朝鮮は、5名の生存と8名の死亡を伝えてきましたが、佐渡の曽我ひとみさんと同時に拉致されたそのその母親の消息をはじめ、まだまだ北朝鮮による拉致の疑いのある人々が沢山おります。
 北朝鮮から半潜水艇などで日本国の海上に上陸して女性・子どもまで無差別に拉致し、また、海外旅行中の日本人を拉致するなど、実に卑劣な主権侵害行為で、日本政府も、国交回復を優先させる前に、この重大な主権侵害・人権侵害に対し、断固たる態度で、北朝鮮へ真相解明・拉致者返還を迫るべきであります。また、北朝鮮は核開発の進行を認めたのですから、これも、わが国の国民保護・安全保障にとって、たいへんな問題であります。
 そうした折でもあり、国際問題・軍事問題の権威のお一人であり、特にこの数ヶ月は、北朝鮮による拉致問題、核・ミサイル問題でテレビ・雑誌等で解説されておられます恵谷治先生にお越しいただき、2時間にわたり分析・御解説をいただきました。
 拉致問題では死亡とされた8人につき提示された北朝鮮の資料が杜撰であり、またコストをかけて拉致しただけにそう簡単には殺していないと考えられ、生存の可能性が高い。ミサイルについては、韓国に対してはスカット、日本に対してはノドン、アメリカに対してはテポドンで、前二者はすでに実戦配備されている。ノドンは、日本全土を射程に収めている。核爆弾も長崎級のものを2発以上持っていると見られるが、問題は、核爆弾を装着して目的箇所へ発射できるかである。日本としては、その危険が迫っている以上、ノドン配置を廃止しない限り国交回復交渉を急ぐべきではない、等々貴重な御意見があり、その後の質疑応答も盛んでした。

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