平成23年6月21日(火)

東日本大震災後のエネルギー政策について

芦田譲先生

芦田譲先生

京都大学名誉教授、
NPO法人環境・エネルギー・農林業ネットワーク理事長

講話概要

 芦田先生は、この日のために特にパワーポイントとそのペーパー資料により、原子力発電の内容とともに、今後の再生可能エネルギーについて、大層分かりやすく御解説下さいました。そのお話は広範・多岐にわたり、ここに集約しにくいところですが、まず、原子力発電については、1kWh当たり5〜6円と最も安く安全との神話があったが、これは欺瞞であって、放射性物質の処分、再処理費用、廃炉費用、そして事故補償まで含めると20〜30円となり、他のエネルギーに比べ割高である。また13ヶ月を超えて運転継続してはいけない規則があるので、日本にある54基のうち現在稼働している19基も、来年3月にはすべて運転停止する。
 そのため、日本は早急に代替・再生可能エネルギーを考えねばならない。その中で、石油、石炭、天然ガスは輸入品で相場が高くなるので、大規模水力、中小水力、風力、太陽光、地熱、バイオマスなどによる発電を組み合わせるしかないだろう。一部に、太陽光や風力だけで原発の何十基分などといった話があるが、それは非現実的である。むしろ、風力に向く地域は風力、日照時間が多い南傾斜地は太陽電池、地熱適地は地熱と組み合わせるのが合理的である。その他、多くの代替・再生可能エネルギーについても詳細に御解説下さり、大層勉強になりました。

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