政治経済部会作成要請書9号 政府宛提出要請書通算131本目、平成21年6月1日提出
科学技術部会作成要請書第31号 政府宛提出要請書通算131本目
平成16年提出の「海底資源探査船」要請が実現・就航したのを喜び、さらに、日本国で早急に複数隻建造を進めていただきたき要請

【要請の趣旨】

当団体では、平成15年の研究において、世界各国が最新鋭の海底資源探査船を沢山保有しており、特に、東アジアにおいて、中国が12隻、そして韓国も4隻を保有して、盛んに海底の地形・資源の調査・探査を行っているのに対して、我が日本には、そうした新鋭の海底資源探査船が1隻もない事実を知り、これは、資源の確保、領海領土の確定という国益にかかわる重要課題であるとして、当時の小泉純一郎総理宛て要請書に纏め、平成16年1月13日、総理官邸において、福田康夫内閣官房長官に、御説明の上、提出した。
 政府は、ことの重要性を認め、104億の研究調査費の予算をつけたが、ストリーマーケーブルを数十本海に垂らして調査する最新鋭の海底資源探査船を建造するには、一隻につき200億円程度かかるので、翌平成17年1月7日、総理官邸に、細田博之内閣官房長官を訪ね、早急に最新鋭海底資源探査船を建造していただきたいと要請した結果、約204億円の予算を付けられた。
 しかし、こうした最新鋭海底資源探査船の建造は日本ではむずかしいとの判断から、平成18年にノルウェーから1隻傭船して訓練をし、結局、平成19年、その船を230数億円で購入し、艤装を終え、平成20年2月11日、船橋港にて、祝典を行い、翌2月12日に出航した。しかし、中越沖地震で柏崎原発が脅かされたこともあり、急遽、中越沖の海底断層の調査など、むしろ地震対策の断層探査に追われている状況である。
 そこで、本年、上記表題の要請書をつくり、海底探査船は、海底断層ばかりではなく、海底資源探査、そして、中国や韓国はさらに海底の大陸棚の状況を調査して、自国の領土領海権を拡張しようとしていることを指摘し、日本も、1隻保有して満足しているのではなく、国家の最優先課題として、中国・韓国なみに、複数隻、いや十数隻の海底資源探査船を早急に建造して下さるよう、要請する。特に、日本の陸上領土は世界で61番目の面積にすぎないが、国連海洋法条約で認められている200海里という排他的経済水域(EEZ)から見ると、日本のそれは447万平方キロで、世界の第6位ですが、例えば、中国、韓国、ロシアなどが、海底資源探査船の地形調査の結果、自分の国の大陸棚であると主張して、国連に提起すると、日本の領海・排他的経済水域は上記の447万平方キロから、かなり減らされる可能性がある。それだけに、この新鋭海底資源探査船による3次元調査は、領海・排他的経済水域を、より多く獲得できるか、それとも、より狭くしか認められないか、の領海・領土問題であることを説き、政府がこの問題に早急に取り組むことを求める内容である。

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